家庭医療と痛みの診察室

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外側上顆炎に対して体外衝撃波療法が有効(メタアナリシス)

外側上顆炎に対する体外衝撃波治療の有効性。システマティックレビューとメタアナリシス

Yao G, Chen J, Duan Y, Chen X. Efficacy of Extracorporeal Shock Wave Therapy for Lateral Epicondylitis: A Systematic Review and Meta-Analysis. Biomed Res Int. 2020 Mar 18;2020:2064781. doi: 10.1155/2020/2064781. PMID: 32309425; PMCID: PMC7106907.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景

 外側上顆炎(LE)は一般的な肘の問題である。LEの治療には体外衝撃波治療(ESWT)が広く用いられており、テニス肘に起因する疼痛や機能障害(握力低下)を緩和することが示されている。しかし、ESWTが他の方法に比べて臨床効果が高いかどうかについてのエビデンスは明らかになっていない。本研究の目的は、ESWTのLE治療における有効性を他の手技と比較することであった。

方法

 PubMed、OVID、Embase、Cochrane Library、Web of Scienceの文献検索を2019年6月30日までに行った。LEに対するESWTと他の手法を比較したRCTのみを対象とした。データの収集・抽出、品質評価、データ解析はコクラン基準に準拠して行った。

結果

 1035人の患者を対象とした合計13件の論文が含まれた。そのうち、501 例が ESWT を実施し、534 例がその他の方法を実施した。メタ解析の結果、プールされたVAS(P = 0.0004)と握力(P < 0.00001)はESWT群で良好であった。

結論

 既存の臨床エビデンスに基づき、体外衝撃波治療は、他のいくつかの方法よりも全体的な安全性が高く、テニス肘に起因する疼痛と機能障害(握力の低下)を効果的に緩和することができる。しかし、含まれている研究の質と量が限られているため、ESWTによる機能的転帰の改善傾向を支持するためには、より質の高いRCTが必要である。

 

所感

 外側上顆炎に対する体外衝撃波療法が、他の方法と比較しても有効なようです。外側上顆炎の治療としては、以前ヒルの治療を紹介しました。

 体外衝撃波療法はオーソドックスな治療法になりつつある印象です。

 

family-painclinic.hateblo.jp

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