家庭医療と痛みの診察室

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僧帽筋の痛みに体外衝撃波治療が効くのは確からしい

僧帽筋筋膜性疼痛症候群に対する集中体外衝撃波治療の効果.システマティックレビューとメタアナリシス

Yoo JI, Oh MK, Chun SW, Lee SU, Lee CH. The effect of focused extracorporeal shock wave therapy on myofascial pain syndrome of trapezius: A systematic review and meta-analysis. Medicine (Baltimore). 2020;99(7):e19085. doi:10.1097/MD.0000000000019085

背景

 筋膜性疼痛症候群(MPS)は、臨床現場でよく見られる症状であり、患者の日常生活に悪影響を及ぼす。最近では、体外衝撃波治療(ESWT)がMPSの治療法の一つとして活用されている。本システマティックレビューおよびメタアナリシスの目的は、ESWTのMPSに対する短期的な効果に関する現在のエビデンスをまとめることであった。

方法

 PubMed、EMBASE、Web of Science、Cochrane Central Register of Controlled Trials をデータベースの開始から 2019 年 3 月まで検索した。2 人のレビュアーが独立して論文をスクリーニングし、方法論の質を評価し、データを抽出した。主要アウトカムは介入後の疼痛強度とした。

結果

 MPSに対するESWTを主治療として使用したかどうかを判断するために、無作為化比較試験(RCT)を実施した。このメタアナリシスでレビューされた5件の研究は、疼痛強度の変化について評価された。他の治療法と比較して、MPSにおける集中ESWTの方が視覚アナログスケール(VAS)スコアの低下に効果的であった(標準化平均差[SMD]= -0.48、95%CI -0.74~-0.22)。

結論

 集中ESWTがMPSにおける頸部痛の短期的な緩和に有効であるというエビデンスは非常に低い。これらの研究のサンプル数が限られており、質が低いことから、この分野における大規模で質の高いプラセボ対照試験の必要性が強調され、支持されている。

 

所感

 体外衝撃波治療のシステマティックレビューおよびメタアナリシスの結果です。まだまだ研究数も少ない状況ですが、ESWTの効果は確かにありそうな印象です。