家庭医療と痛みの診察室

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頚部痛のトリガーポイントには体外衝撃波治療と鍼治療どちらも効果的

非特異的頸部痛患者における僧帽筋上部の活性トリガーポイントに対する衝撃波とドライニードリングの効果 無作為化臨床試験

Manafnezhad J, Salahzadeh Z, Salimi M, Ghaderi F, Ghojazadeh M. The effects of shock wave and dry needling on active trigger points of upper trapezius muscle in patients with non-specific neck pain: A randomized clinical trial. J Back Musculoskelet Rehabil. 2019;32(5):811-818. doi:10.3233/BMR-181289

背景

 慢性的な首の痛みは、様々な筋筋膜性トリガーポイント(MTrP)と関連している。

目的

 非特異的頸部痛(NSNP)患者における僧帽筋トリガーポイントに対する体外衝撃波治療(ESWT)と乾式針治療(DN)の効果を比較するために、単盲検無作為化臨床試験が計画された。

方法

 NSNPを有し、僧帽筋上部のMTrPが活性化している患者70名を無作為に2群に分けた:ESWT群(n=35)とDN群(n=35)。治療セッションは3週間実施され、参加者全員が週に1回関連する介入を受けた。アウトカム指標は、数値疼痛評価スケール(NPRS)で測定した疼痛強度、デジタルアルゴメーターで測定した疼痛圧閾値(PPT)、頸部障害指数(NDI)を用いて評価した機能障害であった。

結果

 NPRSとNDIはDN群とESWT群で有意に減少した(P<0.05)。また、PPTはDN群とESWT群で有意に増加した。しかし、疼痛強度、NDI、PPTには両群間で有意差はなかった(P⩾ 0.05)。

結論

 ESWTとDNの両方をNSNP患者の僧帽筋上層部MTRPの治療に採用することができる。

 

所感

 体外衝撃波治療と鍼治療の効果は同等というランダム化比較試験です。「体外衝撃波治療といえば尿管結石」のイメージしか無かったので、痛みの治療についてしっかり勉強していきたいです。