家庭医療と痛みの診察室

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体外衝撃波治療は鍼治療と同等の効果がある

筋膜性トリガーポイントに対する体外衝撃波治療と乾式針治療の有効性の比較に関する無作為化試験

Luan S, Zhu ZM, Ruan JL, et al. Randomized Trial on Comparison of the Efficacy of Extracorporeal Shock Wave Therapy and Dry Needling in Myofascial Trigger Points. Am J Phys Med Rehabil. 2019;98(8):677-684. doi:10.1097/PHM.0000000000001173

目的

 本研究の目的は、僧帽筋上部の筋膜性トリガーポイントの治療において、体外衝撃波治療と乾式針治療の有効性を比較することであった。

デザイン

 筋膜性トリガーポイントを有する65人の患者を体外衝撃波治療群(n = 32)とドライニードリング群(n = 33)に無作為に分けた。患者は1週間間隔で3週間の治療を受けた(両群とも)。治療前、1回目の治療直後、1ヶ月後、3回目の治療終了後3ヶ月後に、Visual analog scale、圧痛閾値、Neck Disability Index、せん断弾性率を評価した。

結果

 両群とも、治療後のすべての時点で視覚アナログスケール、圧痛閾値、頸部障害指数のスコアの有意な改善が観察された(P < 0.01)。筋膜トリガーポイントのせん断弾性率は、ドライニードリング群(P < 0.05)と体外衝撃波治療群(P < 0.01)の両方で初回治療直後に低下した。せん断弾性率の有意な低下は、両群とも治療後3-moまで維持された(P < 0.01)。体外衝撃波治療群とドライニードリング群の間には有意差はなかった。

結論

 体外衝撃波治療は、一連の3回の治療後に筋膜性トリガーポイントを有する患者に対して、痛みの緩和、機能の改善、およびせん断弾性率の低下に対して、乾式ニードリングと同等の効果がある。

 

所感

 体外衝撃波治療と鍼治療の比較試験です。この研究ではどちらも同等の効果があったようです。抗血栓薬などを内服されている方には、体外衝撃波治療の方が安全かも。