家庭医療と痛みの診察室

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慢性疼痛患者に対する鍼刺激が脳循環に及ぼす影響

慢性疼痛患者に対する鍼刺激が脳循環に及ぼす影響

菊池 友和, 山口 智, 荒木 信夫, 慢性疼痛患者に対する鍼刺激が脳循環に及ぼす影響, 自律神経, 2022, 59 巻, 1 号, p. 88-91

www.jstage.jst.go.jp

抄録

 日本の慢性疼痛のガイドライン 2021 では,「統合医療」の項で、「鍼灸治療は慢性疼痛に有用か?」というクリニカル・クエスチョン(CQ)で推奨度は2(弱):施行することを弱く推奨する(提案する)、とあり、慢性片頭痛や慢性緊張型頭痛などにも推奨され始めている。

 慢性疼痛患者に対する鍼治療効果を脳イメージングを用いた手法により,検討した結果、慢性片頭痛では初回では反応しなかった下行性疼痛調節系の部位が4週間継続して鍼治療を行うことで、賦活した。

 さらに慢性腰痛ではシャム鍼と比較し、真の鍼で脳活動部位に差異が認められ、痛み軽減も有意に真の鍼の方が高かった。

 このように慢性疼痛患者に対する鍼治療効果は、脳の疼痛関連領域にも影響がある可能性が示された。

 

所感

 慢性疼痛に対する鍼灸治療は、脳循環を改善し痛みを緩和する働きがあるようです。