家庭医療と痛みの診察室

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変形性膝関節症に対してトリガーポイント鍼治療は有効で安全

変形性膝関節症の治療における筋筋膜性疼痛トリガーポイントへの鍼治療。システマティックレビューとメタアナリシス

Lin X, Li F, Lu H, Zhu M, Peng TZ. Acupuncturing of myofascial pain trigger points for the treatment of knee osteoarthritis: A systematic review and meta-analysis. Medicine (Baltimore). 2022 Feb 25;101(8):e28838. doi: 10.1097/MD.0000000000028838. PMID: 35212282; PMCID: PMC8878739.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景

 変形性膝関節症は、社会的機能不全、経済的損失、社会発展につながる主要な障害の一つである。本研究は、変形性膝関節症の治療における筋膜性疼痛トリガーポイントの鍼による不活性化の有効性と安全性の有効性を系統的に評価するために実施したものである。

方法

 膝痛の治療に関する無作為化対照試験(RCT)をPubMed、The Cochrane Library、中国雑誌全文データベース(CNKI)、中国生物医学文献データベース(CBM)、中国学術雑誌データベース(Wanfang Data)データベースから作成日~2021年12月までコンピュータ検索し、データ解析ソフトReman 5.3 でデータ解析を実施した。

結果

 最終的に9つのRCTから合計724名の患者が対象となり、メタ解析の結果、鍼灸筋膜疼痛トリガーポイント群は対照群に比べ、総有効率、治癒率、VASスコア、Lysholmスコア、WOMACスコアが優れていることが示された。

結論

 変形性膝関節症の治療における鍼灸筋膜疼痛トリガーポイントの有効性と安全性は肯定的であるが、本研究の対象となった文献数が少なく、また、対象となった文献の質が低いため、この治療法の分析には、高品質でサンプルサイズの大きなRCTが必要であると考えられる。

 

所感

 変形性膝関節症に対してトリガーポイント鍼治療は有効で安全なようです。