家庭医療と痛みの診察室

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変形性膝関節症に対して手技療法が有効

変形性膝関節症患者における手技療法の有効性について。システマティックレビュー

Tsokanos A, Livieratou E, Billis E, Tsekoura M, Tatsios P, Tsepis E, Fousekis K. The Efficacy of Manual Therapy in Patients with Knee Osteoarthritis: A Systematic Review. Medicina (Kaunas). 2021 Jul 7;57(7):696. doi: 10.3390/medicina57070696. PMID: 34356977; PMCID: PMC8304320.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景と目的

 変形性関節症(OA)は、痛みやこわばり、機能低下を誘発する最も一般的な変性疾患の一つである。

 OAの治療には,軟部組織の手技,治療用エクササイズ,手技など,さまざまな理学療法の技術や方法が用いられている。

 このシステマティックレビューの主な目的は、膝OA患者における手技療法(MT)の短期および長期の有効性を、痛みの減少、膝の可動域(ROM)と機能性の改善という観点から評価することであった。

材料と方法

 PubMed,PEDro,CENTRALデータベースを用いて,膝OA患者へのMTの適用に焦点を当てた対照無作為化臨床試験(RCT)をコンピュータ検索した。

 使用したキーワードは、「knee OA」、「knee arthritis」、「MT」、「mobilisation」、「ROM」、「WOMAC」。

結果

 6つのRCTと無作為化クロスオーバー研究が組み入れ基準を満たし、最終的な分析に含まれた。

 利用可能な研究では、MTは膝OA患者の痛みを短期的に軽減し、膝のROMと機能性を向上させることが示された。

結論

 MT法は、痛みを軽減し、機能性を高めることで、膝OA患者の治療に積極的に貢献できる。今後は,MTの有効性を他の治療法と比較することで,この知見をより強固なものにするための研究が必要である。

キーワード Mulligan technique; 変形性膝関節症; マニュアルセラピー.

 

所感

 変形性膝関節症に対して手技療法は有効です。