変形性膝関節症に対する血流制限トレーニングは、従来のトレーニングと効果が変わらない
血流制限トレーニングは変形性膝関節症の臨床成果を高めるか。システマティックレビューとメタアナリシス
Grantham B, Korakakis V, O'Sullivan K. Does blood flow restriction training enhance clinical outcomes in knee osteoarthritis: A systematic review and meta-analysis. Phys Ther Sport. 2021 May;49:37-49. doi: 10.1016/j.ptsp.2021.01.014. Epub 2021 Feb 3. PMID: 33582442.
目的
変形性膝関節症(OA)患者に対する血流制限トレーニング(BFRT)の有効性を系統的に検討すること。
デザイン
系統的レビューとメタアナリシス。
文献検索
1人の研究者が8つの電子データベースを検索した。
研究の選択基準
膝OAに対するBFRTと通常のレジスタンストレーニング(RT)を比較した無作為化臨床試験(RCT)。
データの統合
1人の査読者が適格なRCTを選択し、データをエクスポートした。2人の査読者がPEDroスケールを用いて研究の質を評価した。必要に応じてランダム効果モデルを用いてメタアナリシスを行った。GRADEを用いてエビデンスの質を評価した。
結果
5件の研究が適格であった。分析された主要なアウトカムは、疼痛、自己申告機能、客観的身体機能、筋力、筋肉の大きさであった。
すべての比較において、BFRTと従来のRTの間に差がないという低~中質のエビデンスがあった。
結論
限られた利用可能なエビデンスは、BFRTが膝OAを持つ人々のアウトカムを向上させることを示唆していない。
これらの知見は、臨床家が膝OAの人々にBFRTを使用することを支持しない。
むしろ、運動と教育に関するエビデンスに基づくメッセージが、リハビリテーションの柱であり続けるべきである。
さらに、痛みのために適切な運動プログラムをこなせない膝OA患者が、痛みの少ない運動を行うためにBFRTを利用することが有益であるかどうかを明らかにすべきである。
キーワード 血流制限トレーニング、膝関節痛、変形性関節症、レジスタンストレーニング。
所感
変形性膝関節症に対する血流制限トレーニングは、従来のトレーニングと効果が変わらないようです。