家庭医療と痛みの診察室

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変形顎関節症に対して関節穿刺だけでも有用

変形性顎関節症の治療におけるヒアルロン酸、コルチコステロイド、多血小板血漿の作用機序と有効性-システマティックレビュー

Derwich M, Mitus-Kenig M, Pawlowska E. Mechanisms of Action and Efficacy of Hyaluronic Acid, Corticosteroids and Platelet-Rich Plasma in the Treatment of Temporomandibular Joint Osteoarthritis-A Systematic Review. Int J Mol Sci. 2021 Jul 9;22(14):7405. doi: 10.3390/ijms22147405. PMID: 34299024; PMCID: PMC8308010.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

目的

 顎関節の変形性関節症(TMJ OA)は、多因子性の病因による低炎症性疾患である。

 このレビューの目的は、顎関節OAの治療におけるヒアルロン酸(HA)、コルチコステロイド(CS)および多血小板血漿(PRP)の作用機序と有効性に関する知識の現状を提示することであった:

方法

 PubMedデータベースをキーワードで分析した。「顎関節)AND((変形性関節症)OR(機能障害)OR(疾患)OR(疼痛))AND(治療)OR(関節症)OR(疼痛))。AND *1 AND *2」とした。

結果

 363件の結果をスクリーニングした結果、16件の研究がこのレビューに含まれた。顎関節OAと診断された患者において、関節穿刺だけでも効果的に痛みを軽減し、顎の機能を改善した。

 関節穿刺の最後に低分子量(LMW)HAまたは高分子量(HMW)HAのHAやCSを追加注入しても、最終的な臨床結果は改善しない。

 CSは関節軟骨にいくつかの悪い影響を与える。PRPの追加注入に関する結果は一貫しておらず、むしろ疑問である。

 さらなる研究は、多施設でより多くの患者を対象とし、単純な関節穿刺よりも他の顎関節OA治療法の方が患者にとって有益であるかどうかという疑問に答えるべきである。

キーワード:関節穿刺、コルチコステロイド、ヒアルロン酸、関節内注射、多血小板血漿顎関節症、顎関節変形性関節症。

 

所感

 変形性顎関節症に対しては、関節穿刺だけでも有用なようです。

*1:治療) OR (関節腔鏡) OR (関節鏡) OR (注射

*2:hyaluronic acid) OR (corticosteroid) OR (platelet rich plasma