家庭医療と痛みの診察室

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骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折に対して椎間関節ブロックが有効

骨粗鬆症性椎体骨折患者に対する椎間関節ブロックは補完的あるいは代替的治療法となりうるか:メタアナリシス

Chen Z, Song C, Chen J, Sun J, Liu W. Can facet joint block be a complementary or alternative therapeutic option for patients with osteoporotic vertebral fractures: a meta-analysis. J Orthop Surg Res. 2022 Jan 21;17(1):40. doi: 10.1186/s13018-022-02933-9. PMID: 35063004; PMCID: PMC8781236.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景

 近年、椎体形成術後の疼痛緩和に椎間関節ブロックが用いられることが多くなったが、椎体再建術の補完・代替となり得るかどうかは不明である。

 そこで、骨粗鬆症性椎体圧迫骨折(OVCF)に対する椎間関節ブロックの効果を明らかにするために、このメタアナリシスを実施した。

方法

 PRISMA声明に従い、Embase, PubMed, Web of Science, Wanfang Data, China National Knowledge Infrastructure, Chinese BioMedical Literature Databaseによる包括的な文献検索を行い、関連研究を同定することとした。

 椎体形成術と椎間関節ブロックの併用療法と椎体形成術を比較した研究、椎体関節ブロックと椎体形成術を比較した研究をそれぞれ分析した。

結果

 合計10件の研究が含まれた。その結果、併用療法は、術後1日目、7日目、1ヶ月目、3ヶ月目のVASスコアが有意に低く、術後1日目、7日目、3ヶ月目のODI(オスウェストリー障害指数)スコアが低かった。

 椎体関節ブロックと椎体形成術を比較した研究は3件あり、椎体形成術は術後1ヶ月目に良い鎮痛効果が得られるだけだが、再骨折の発生が高くなると証明された。

結論

 椎間関節ブロックは、OVCFの治療において、椎体形成術を補完するものとして考えられるが、代替療法としては効果的に使用されない可能性があることが示唆された。

キーワード 骨粗鬆症性椎体圧迫骨折,椎体形成術,メタアナリシス,faceet joint block.

 

所感

 骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折に対して、椎体形成術に加えて、椎間関節ブロックを用いた方が有効なようです。