心理的な要因が慢性腰痛に影響を及ぼしており、認知行動療法やマインドフルネスが有用
慢性腰痛の統合的ケアにおける心理学的アプローチ:系統的レビューとメタアナリシス
Petrucci G, Papalia GF, Russo F, Vadalà G, Piredda M, De Marinis MG, Papalia R, Denaro V. Psychological Approaches for the Integrative Care of Chronic Low Back Pain: A Systematic Review and Metanalysis. Int J Environ Res Public Health. 2021 Dec 22;19(1):60. doi: 10.3390/ijerph19010060. PMID: 35010319; PMCID: PMC8751135.
背景
慢性腰痛(CLBP)は、世界中で最も一般的な身体障害の原因であり、成人人口の約12%~30%が罹患していると言われている。
心理的要因は痛みの体験に重要な役割を果たし、痛みの持続、障害、長期病欠の予測因子となりうる。
目的
このメタアナリシスの目的は、CLBP患者の治療に用いられる最も一般的な心理学的アプローチを特定し、説明することである。
方法
PubMed/MEDLINEとCochrane Centralで系統的な検索を行った。
全体として、16の研究、合計1058人の患者が分析に含まれた。
結果
その結果、認知行動療法(CBT)とマインドフルネスに基づくストレス軽減(MBSR)の介入は、通常のケアと比較した場合、痛みの強さとQOLの点でともに改善と関連することが示唆された。
また、障害も通常のケアと比較した場合、両群で改善した。恐怖回避信念については、通常のケアと比較して、CBT群で有意差が認められた。
したがって、心理的要因はCLBPに関連し、影響を及ぼしている。これらの変数を考慮した治療的アプローチを開発することが極めて重要である。
結論
本研究の結果は、CBTとMBSRが疼痛関連アウトカムを修正することを示唆し、臨床現場で実施可能であることを示すものである。
キーワード:認知行動療法、うつ病、障害、恐怖回避信念、腰痛、マインドフルネスベースのストレス低減。
所感
心理的な要因が慢性腰痛に影響を及ぼしているため、認知行動療法やマインドフルネスも有効なようです。