慢性腰痛に対する高周波インパルス療法の効果
高周波インパルス療法による慢性腰痛の治療：多施設共同無作為化対照パイロット研究
Amirdelfan K, Hong M, Tay B, Reddy S, Reddy V, Yang M, Khanna K, Shirvalkar P, Abrecht C, Gulati A. High-Frequency Impulse Therapy for Treatment of Chronic Back Pain: A Multicenter Randomized Controlled Pilot Study. J Pain Res. 2021 Sep 22;14:2991-2999. doi: 10.2147/JPR.S325230. PMID: 34588809; PMCID: PMC8473565.
目的
本研究は、慢性腰痛（CLBP）の治療を受けている患者の痛みと機能に対する高周波インパルス療法（HFIT）の影響を調べることを目的とする。
方法
米国カリフォルニア州の整形外科およびペインセンター5施設において、HFITシステムと偽薬のパイロット無作為化対照試験を実施した。CLBPの臨床治療を受けようとする36名の患者が無作為化された。
主要評価項目は、6分間歩行試験（6MWT）で測定した機能。
副次評価項目は，機能（Timed Up and Go [TUG]およびOswestry Disability Index [ODI]），疼痛（Numerical Rating Scale [NRS]），QOL（Patient Global Impression of Change [PGIC]），およびデバイスの使用であった。
患者の評価は，ベースライン時および4週間のフォローアップ期間中，毎週行われた．各結果の変化の分析には，Mann-Whitney U-testを用いた。治療効果の経時的な評価には反復測定ANOVAを用いた。
結果
対象者の平均年齢は53.9±15.7歳（平均±SD）で、慢性腰痛歴は12.1±8.8年であった。HFITデバイスの投与を受けた患者は、ベースラインのスコアと比較して、2週目[Cohen's d (95% CI): 0.33 (0.02, 0.61)]、3週目[0.32 (0.01, 0.59)]、4週目[0.31 (0.01, 0.60)]の6MWTスコアがそれぞれ有意に高かった（p < 0.05）。
治療群の患者は、3週目のTUGスコアが有意に低く［0.30（0.04、0.57）］、2週目のNRSスコアが［0.34（0.02、0.58）］および4週目のNRSスコアが［0.41（0.10、0.67）］、有意に低かった（p＜0.05）。
結論
より大規模なRCTでは、本研究の結果を基に、HFITがCLBP患者の痛みの軽減と機能の改善に有効であるかどうかを検証することができる。本研究では、HFITを使用した被験者において、機能改善と痛みの軽減という心強い証拠が示されました。HFITの有効性と低侵襲性は、CLBP患者の管理を大幅に改善すると期待される。
キーワード HFIT，慢性疼痛，神経調節，非侵襲的治療，疼痛。
