家庭医療と痛みの診察室

家庭医療と痛みの治療を中心に、調べたことや感じたことをアップしていきます。

糖尿病性末梢神経障害に対して、電気刺激が有効

痛みを伴う糖尿病性末梢神経障害に対する非侵襲的神経調節効果:システマティックレビューとメタアナリシス

Zeng H, Pacheco-Barrios K, Cao Y, Li Y, Zhang J, Yang C, Fregni F. Non-invasive neuromodulation effects on painful diabetic peripheral neuropathy: a systematic review and meta-analysis. Sci Rep. 2020 Nov 5;10(1):19184. doi: 10.1038/s41598-020-75922-9. PMID: 33154432; PMCID: PMC7645738.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景

 糖尿病性末梢神経障害(DPN)は、一般的に痛みを伴う症状である。症状緩和のためにいくつかの治療薬が試されてきたが、その結果は様々だ。非侵襲的な神経調節法(NINM)はDPNの治療法として期待されている。

目的

 本研究の目的は,DPN 患者の疼痛評価と神経伝導速度に対する NINM の効果を評価することである。

方法

 2019年8月30日まで、7つのデータベースで検索を行った。最終的に、20件の研究が組み入れ基準を満たした。

結果

 その結果、中枢性NINMによる疼痛スコアの有意な低下(効果サイズ[ES]=-0.75、95%CI=-1.35~-0.14)が認められたが、末梢性手技(電気・電磁)全体では有意な低下は認められなかった(ES=-0.58、95%CI=-1.23~0.07)。

 しかし、末梢の電気的NINMのサブグループでは、電磁的手法(ES=0.21、95%CI=-1.00~1.42、I2=95.3%)と比較して、有意に高い効果が得られたと報告された。

 その他のサブグループ解析の結果によると、NINMsの効果は、集中的なプロトコルや、抵抗性の症状や鎮痛剤への不耐性がある集団で高いことがわかった。

 また、NINMsは運動神経の速度を増加させ(ES = 1.82; 95% CI = 1.47 to 2.17)、感覚神経の速度には影響がなかった(ES = 0.01, 95% CI = - 0.79 to 0.80)。

結論

 これらの結果から,中枢および末梢の電気的NINMは,有害事象を報告することなく,DPN患者の神経障害性疼痛を軽減できることが示唆された。NINM技術が効果的で安全な代替治療法であることを確認するには,十分な研究が必要である。

 

所感

 糖尿病性末梢神経障害に対して、電気刺激療法が効果的のようです。