家庭医療と痛みの診察室

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神経障害性疼痛にビタミンB12が効果的

末梢性神経障害性疼痛に対するB12の治療法:システマティックレビュー

Julian T, Syeed R, Glascow N, Angelopoulou E, Zis P. B12 as a Treatment for Peripheral Neuropathic Pain: A Systematic Review. Nutrients. 2020 Jul 25;12(8):2221. doi: 10.3390/nu12082221. PMID: 32722436; PMCID: PMC7468922.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景

 神経障害性疼痛は、体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる一連の不快な感覚を表す。

 神経障害性疼痛による感覚は衰弱させるものであり、患者の生活の質を向上させるために、治療法の改善が求められている。

 ビタミンB12は、髄鞘形成の促進、神経再生の促進、異所性神経発火の減少など、さまざまなメカニズムで痛みを軽減すると考えられています。

 この論文では、神経障害性疼痛の薬物治療としてのB12のエビデンスをレビューした。

方法

 このシステマティックレビューでは、B12単独療法、B12と他のビタミンやガバペンチノイドなどの従来の治療法との併用など、さまざまな治療法が評価された24の発表論文が対象となりました。

結論

 今回のシステマティックレビューでは、帯状疱疹後神経痛の治療(エビデンスレベルII)および有痛性末梢神経障害の治療(エビデンスレベルIII)において、B12の治療効果を示すエビデンスが存在することが示されました。

キーワード B12、コバラミン、メチルコバラミン、神経因性、ニューロパシー、疼痛

 

所感

 神経障害性疼痛に対してビタミンB12は有効なようです。現在でも神経痛にビタミンB12を使うことはありますが、正直、「本当に効くのかな?」と思いながら処方していました。

 今後はある程度自身を持って処方できそうです。