家庭医療と痛みの診察室

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顎関節症にレーザー治療が効果的

顎関節症に対するレーザー照射の効果.1172例の患者を対象としたシステマティックレビュー

Zwiri A, Alrawashdeh MA, Khan M, Ahmad WMAW, Kassim NK, Ahmed Asif J, Suan Phaik K, Husein A, Ab-Ghani Z. Effectiveness of the Laser Application in Temporomandibular Joint Disorder: A Systematic Review of 1172 Patients. Pain Res Manag. 2020 Sep 11;2020:5971032. doi: 10.1155/2020/5971032. PMID: 33005278; PMCID: PMC7503120.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

目的

 本システマティックレビューの目的は、顎関節症に対するレーザー照射の有効性を評価することであった。

方法

 PubMed、SCOPUS、Science Direct、Web of Science、Google Scholar の電子データベースを、言語を英語と年号(2001 年 1 月~2020 年 3 月)のみに限定して系統的に検索し、包含基準に基づいて研究を選定した。

 研究の質と出版バイアスの評価は、R統計解析ソフトウェアのパッケージであるRobvisを用いて行った。

結果

 本システマティックレビューでは、包含基準と除外基準に基づいて32研究(1172人)を対象とした。ほとんどの研究で、顎関節症治療中にレーザーを使用することで、痛みが有意に減少したことが報告された。

 研究の3分の2(78.13%)は従来のものと比較してより良い結果が得られたとしている。

 Robvisによると、84.4%の研究は、バイアスのリスクが低く、方法論的に優れた研究であった。

結論

 顎関節症の患者は、従来の治療を受けても長時間痛みが続く。レーザー治療は顎関節症患者の疼痛軽減に有望な結果を示している。したがって、レーザー治療は顎関節症患者の治療成績を向上させるために推奨される可能性がある。本試験は、PROSPERO(CRD42020177562)に登録されている。

 

所感

 顎関節症の痛みに対して、レーザー治療が効果あるようです。本文中には経皮的電気神経刺激の記述もあり、レーザーと共にリスクが少ない治療法として推奨されています。