鍼治療はスポーツ関連障害に対しても有効（システマティックレビュー）
スポーツ選手のスポーツ関連の傷害の治療のための鍼治療の使用。症例報告の系統的レビュー
Lee JW, Lee JH, Kim SY. Use of Acupuncture for the Treatment of Sports-Related Injuries in Athletes: A Systematic Review of Case Reports. Int J Environ Res Public Health. 2020 Nov 6;17(21):8226. doi: 10.3390/ijerph17218226. PMID: 33172218; PMCID: PMC7664377.
背景
鍼灸治療は、様々な痛みに対する補完代替医療の代表的な治療法の一つである。本システマティックレビューでは、スポーツ選手のスポーツ傷害の治療に鍼灸治療を活用した臨床症例報告/シリーズを要約・分析し、スポーツ医学における鍼灸治療の臨床的エビデンスを確立するための更なる研究の基礎を提供した。
方法
言語や公開日の制限のない2019年8月21日までのMEDLINEを含むEmbaseで包括的な文献検索を行った。各研究の不均一性のため、説明的分析および記述的分析を行った。
結果
各症例報告/シリーズにおいて、アスリートが経験する様々なタイプのスポーツ傷害の治療に鍼治療が適用されていることが確認された。鍼治療は、短期的な痛みの緩和や機能障害の回復を助けることができ、側方半月板断裂、大腿骨寛骨臼インピンジメント、ガングリオン嚢胞、スポーツヘルニアなどのスポーツ傷害を管理するための有用な非侵襲的で保存的なモダリティとして使用されてきた。さらに、鍼治療は、イップスや遅発性筋肉痛などの疾患のために試す価値のある治療法として提案されている。
結論
筋骨格系疾患の疼痛コントロールを超えて、様々なタイプのスポーツ傷害の治療に鍼灸治療の可能性があることが示された。
限界
本レビューが症例報告/シリーズに基づいていることを考慮すると、アスリートにおける鍼灸治療の臨床的価値については限定的な理解が必要である。今後は、より具体的な研究課題や仮説を提示し、実験的研究に基づくエビデンスを創出していく必要がある。
キーワード：鍼治療；アスリート；症例報告；症例シリーズ；レビュー；スポーツ傷害
所感
鍼治療はスポーツによる障害に対しても有効な治療の一つです。
