尿管結石に鎮痛薬が効かない場合、硫酸マグネシウムが効果的かも（メタアナリシス）

腎疝痛に対する硫酸マグネシウムの効果。PRISMA準拠のメタアナリシス

Chen LF, Yang CH, Lin TY, Pao PJ, Chu KC, Hsu CW, Bai CH, Du MH, Hsu YP. Effect of magnesium sulfate on renal colic pain: A PRISMA-compliant meta-analysis. Medicine (Baltimore). 2020 Nov 13;99(46):e23279. doi: 10.1097/MD.0000000000023279. PMID: 33181719; PMCID: PMC7668463.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景

　硫酸マグネシウム（MgSO4）は、さまざまな条件の鎮痛剤として広く使用されている。最近の無作為化比較試験（RCT）では、腎疝痛に対するMgSO4の効果が評価されているが、この新しいエビデンスは合成されていない。そこで、我々は、MgSO4 の腎疝痛に対する有効性と安全性を対照薬と比較して評価するために、システマティックレビューとメタアナリシスを実施した。

方法

　PubMed, EMBASE, Scopus データベースを開始から 2020 年 2 月まで検索した。腎疝痛患者に対する MgSO4 と対照薬の比較を評価した RCT を対象とした。データは 2 名のレビュアーによって独立して抽出され、ランダム効果モデルを用いて合成された。

結果

　合計373人の患者を対象とした4件の研究が解析された。MgSO4 15～50mg/kgの静脈内投与は、対照群と比較して15分後（平均差[MD]=0.35、95％信頼区間[CI]-0.51～1.21；2 RCTs）、30分後（MD =0.19、95％CI -0.74～1.13；4 RCTs）、60分後（MD = -0.28、95％CI -0.72～0.16；3 RCTs）に腎疝痛の重症度を有意に低下させなかった。初期鎮痛薬に反応しなかった患者では、MgSO4 15mg/kgまたは50％溶液2mlを静脈内投与することで、30分後（P = 0.90）および60分後（P = 0.57）にケトロラックまたはモルヒネと同様の疼痛緩和が得られた。これらの試験では、MgSO4の短期使用では有意な血行動態の変化は観察されなかった。