家庭医療と痛みの診察室

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がん性疼痛に効果的な補完療法はあるのか?(システマティックレビュー)

緩和ケアにおけるがん疼痛の管理における補完療法の有効性。システマティックレビュー

Lopes-Júnior LC, Rosa GS, Pessanha RM, Schuab SIPC, Nunes KZ, Amorim MHC. Efficacy of the complementary therapies in the management of cancer pain in palliative care: A systematic review. Rev Lat Am Enfermagem. 2020 Sep 30;28:e3377. doi: 10.1590/1518-8345.4213.3377. PMID: 33027406.

目的

 緩和ケアを受けている成人がん患者のがん性疼痛の管理における補完療法の有効性に関する無作為化比較試験から得られた知見を総合し、その証拠を批判的に評価すること。

方法

 システマティックレビューおよびメタアナリシスの優先報告項目に従ったシステマティックレビュー。MEDLINE、ISI Web of Knowledge、CENTRAL Cochrane、PsycINFOデータベースでの論文検索、および手動検索、研究の選択、データ抽出、およびCochrane Bias Riskツールを用いた方法論的評価は、2人のレビュアーによって独立して行われた。

結果

 80015件(815件)の研究が同定され、そのうち6件が選択・分析され、そのうち3件はマッサージ療法を用いた研究、1件は漸進的筋弛緩法と誘導イメージ療法の組み合わせを用いた研究、もう1件は鍼治療を用いた研究であった。ほとんどの研究では、バイアスのリスクが不確かであった(n=4;67%)。

結論

 これらの患者におけるがん疼痛の管理にマッサージ療法または漸進的筋弛緩法と誘導イメージ療法の使用を評価した研究から得られたエビデンスは有意な有益性を示したが、補完療法としての鍼治療の使用を評価した他の2件の研究では矛盾する結果が示されたため、このような所見を解明するためにさらなる研究が必要である。

 

所感

 がん疼痛に対する補完療法のシステマティックレビューです。この論文の結論としては、マッサージ療法・漸進的筋弛緩法や誘導イメージ療法に有用性があるとしています。鍼療法については効果にバラツキが大きかったようです。

 漸進的筋弛緩法に誘導イメージ療法、もっと詳しく調べてみたいと思います。

 

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