鍼灸治療が慢性疼痛関連うつ病に対して有効
慢性的な痛みに関連したうつ病に対する鍼灸治療。システマティックレビューとメタアナリシス
You J, Li H, Xie D, Chen R, Chen M. Acupuncture for Chronic Pain-Related Depression: A Systematic Review and Meta-Analysis. Pain Res Manag. 2021 Feb 22;2021:6617075. doi: 10.1155/2021/6617075. PMID: 33680223; PMCID: PMC7925064.
目的
このシステマティックレビューの目的は、慢性疼痛関連うつ病(CPRD)の緩和における鍼治療の有効性と安全性に関する既存のエビデンスをまとめ、評価することであった。
方法
7つのオンラインデータベースを検索し、2020年9月までに発表されたCPRDに対する鍼灸治療の適格な無作為化対照試験(RCT)を特定した。
鍼治療を介入群とし,対照群の有無に関わらず,対照群が従来の薬剤で治療されている研究を対象とした。メタアナリシスはRevMan 5.3ソフトウェアを用いて行った。
アウトカムについては、ハミルトンうつ病尺度(HAMD)、Visual Analogue Scale(VAS)、有害事象を用いて評価を行った。
結果
636名の参加者を対象とした8つの研究が同定され、メタアナリシスに含まれた。その結果,鍼灸治療単独と薬物治療は,HAMDスコアの改善(MD=-0.14,95%CI=[-0.88,0.59],P=0.71)とVASスコアの緩和(MD=-0.42,95%CI=[-1.10,-0.27],P=0.23)に同じ効果があるが,鍼灸治療の方が安全であることが示された(OR=0.03,95%CI=[0.01,0.21],P=0.0003)。
また、鍼灸治療と薬剤の併用(対照群)は、HAMDスコアの改善(MD = -2.95, 95% CI = [-3.55, -2.36], P < 0.00001)とVASスコアの緩和(MD = -1.06, 95% CI = [-1.65, -0.47], P = 0.0004)において、薬剤単剤治療よりも有益であることがわかった。
結論
鍼灸治療はCPRDに対する有効かつ安全な治療法であり、鍼灸治療と薬物療法の併用は、単独の薬物療法よりも効果的である。
とはいえ、質が低く、組み入れられた研究の数も少ないため、結論は限定的であった。