偏頭痛に迷走神経刺激装置が効果的
片頭痛の急性治療としての非侵襲的迷走神経刺激。無作為化PRESTO試験
Tassorelli C, Grazzi L, de Tommaso M, et al. Noninvasive vagus nerve stimulation as acute therapy for migraine: The randomized PRESTO study. Neurology. 2018;91(4):e364-e373. doi:10.1212/WNL.0000000000005857
目的
片頭痛の急性治療における非侵襲的迷走神経刺激（nVNS; gammaCore; electroCore, LLC, Basking Ridge, NJ）の有効性、安全性、忍容性を多施設、二重盲検、無作為化、偽薬対照試験で評価すること。
方法
前兆を伴う/伴わないのいずれかの発作性片頭痛を有する248名の参加者を、痛みの発生から20分以内にnVNSまたは偽薬の投与を受けるように無作為に割り付けた。15分後に痛みが改善しなかった場合は治療を繰り返すことになっていた。
結果
30分後（12.7％ vs 4.2％；p = 0.012）および60分後（21.0％ vs 10.0％；p = 0.023）の痛みの自由度についてはnVNS（n = 120）がシャム（n = 123）よりも優れていたが、最初の治療後120分後（30.4％ vs 19.7％；p = 0.067；主要エンドポイント；ロジスティック回帰）では優れていなかった。nVNSは120分後の疼痛緩和を含む他のエンドポイントにおいても有益であり、安全で忍容性が高いことが示された。
結論
このランダム化シャムコントロール試験では、nVNSの効果は発作後30分以内および最大60分以内であることが支持された。また、nVNSの効果的な疼痛緩和、忍容性、およびエピソード性片頭痛の急性治療に対する実用性が示唆された。
所感
迷走神経刺激装置というものを初めて知りました。装置は下記のようなものらしいです。少し調べたところによると、難治性てんかんに対して電極を植え込むこともあるようです。
偏頭痛にはトリプタン製剤を使用しますが、副作用の問題などもありこうした装置で改善できるのなら良いですね。ただ、クリニックに用意するのは難しいので、こうした機械を使わないで迷走神経が刺激される方法がないか調べてみます。
