家庭医療と痛みの診察室

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片頭痛発作に対してボツリヌス療法が有用

ボトックス(オナボツリヌムトキシンA)による片頭痛症状の治療。システマティックレビュー

Shaterian N, Shaterian N, Ghanaatpisheh A, Abbasi F, Daniali S, Jahromi MJ, Sanie MS, Abdoli A. Botox (OnabotulinumtoxinA) for Treatment of Migraine Symptoms: A Systematic Review. Pain Res Manag. 2022 Mar 31;2022:3284446. doi: 10.1155/2022/3284446. PMID: 35401888; PMCID: PMC8989603.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景

 片頭痛は最も一般的な頭痛の一つであり、神経疾患の原因の第2位で、年間の有病率は人口の約15%である。

 本研究は、片頭痛発作の持続時間と強度に対するBoNT-Aの効果を評価することを目的とした。また、有効な注射部位を検討した。

方法

 PRISMA(Preferred Reporting Items for Systematic Review and Meta-Analysis)ガイドラインに従い,2011年から2021年までのWeb of Science,PubMed,EMBASE,Scopus,Cochrane Library,ProQuest,ClinicalTrials.gov,Google Scholarなどのオンラインデータベースを検索した。

結果

 合計 24 件の論文を対象とした。慢性片頭痛(CM)に苦しむ人にBoNT-Aを使用すると、1カ月あたりの片頭痛発作の頻度、痛みの強さ、薬の使用、緊急訪問、片頭痛に関連する障害が減少する。

 BoNT-Aは忍容性が高く、パフォーマンスの向上と生活の質(QoL)の改善につながった。全体として、成人のCMにおけるBoNT-Aによる治療は有益である。

 さらに、前庭片頭痛VM)患者へのBoNT-Aの使用は、片頭痛の頻度を減らし、片頭痛による障害状態の改善をもたらす。

 一方、慢性難治性片頭痛CRM)患者では、BoNT-Aの使用により1カ月あたりの片頭痛発作の頻度が減少する。

結論

 BoNT-Aの使用は、慢性型、エピソード型、片側型、前庭型など様々な種類の片頭痛の治療において、低コストで使用できる選択肢である。BoNT-Aは1ヶ月の片頭痛発作の頻度を減らし、痛みの程度を軽減することができる。

 

所感

 片頭痛発作に対してボツリヌス療法が有用であるようです。