家庭医療と痛みの診察室

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レーザー鍼治療の安全性について

レーザー鍼治療の安全性。システマティックレビュー。

 Yang J, Mallory MJ, Wu Q, et al. The Safety of Laser Acupuncture: A Systematic Review. Med Acupunct. 2020;32(4):209-217. doi:10.1089/acu.2020.1419

目的

 レーザー鍼灸治療は、高齢者や小児をはじめとする針恐怖症の患者にとって、臨床現場でますます魅力的な治療法となってきている。しかし、レーザー鍼治療の安全性に関する文献は限られている。このシステマティックレビューは、レーザー鍼治療の安全性に関する現在利用可能な文献をまとめたものである。

方法

 Ovid MEDLINE,® Epub Ahead of Print, In-Process & Other Non-Indexed Citations Daily, Ovid Embase, Scopus, and EBM Reviews-Cochrane Central Register of Controlled Trialsデータベースを検索し、レーザー鍼治療に関する利用可能な無作為化比較試験(RCT)を検索した。安全性データは、含まれる研究から抽出した。有害事象(AE)データを抽出し、重症度と因果関係の観点から評価した。

結果

 737件の論文のうち、21件のRCTを抽出した。737件の論文のうち、21件のRCTが含まれていた。これらのRCTの大部分は、レーザー鍼治療は安全であり、AEはなかったと報告したが、6試験ではAE(しびれ、痛みの再燃、一過性の疲労を含む)が報告された。すべてのAEは軽度であり、24時間以内に自然に消失した。AE とレーザー鍼治療との因果関係は,4 試験で「確実」,1 試験で「可能性がある」,1 試験で「可能性がある」と考えられた.7 試験では,AE の収集と評価方法によるモニタリングを行った.AE の収集とモニタリングは,7 試験(AE アンケート 5 件,チェックリスト 1 件,口頭報告 1 件)で実施された.

結論

 レーザー鍼治療は,軽度で一過性の有害事象が少ない安全な治療法であるように思われる。しかし、現在の研究の不均一性を考慮すると、レーザー鍼治療の安全性をより完全に評価するためには、厳密な評価方法を用いた大規模で、よく設計されたプラセボ対照RCTが必要である。

 

所感

 僕の場合、星状神経節に対してレーザーを使うこともありますが、何となく安全だろうという意識でした。「何となく」で思考停止せず、本当にそうなのか?を常に考えたいと思います。