鍼灸治療は乳がん関連リンパ浮腫の治療に有効
乳がん関連のリンパ浮腫に対する鍼灸の効果。無作為化比較試験のシステマティックレビューとメタアナリシス
Gao Y, Ma T, Han M, Yu M, Wang X, Lv Y, Wang X. Effects of Acupuncture and Moxibustion on Breast Cancer-Related Lymphedema: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Integr Cancer Ther. 2021 Jan-Dec;20:15347354211044107. doi: 10.1177/15347354211044107. PMID: 34521235; PMCID: PMC8447094.
目的
ランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューおよびメタアナリシスの目的は,乳がん関連リンパ浮腫(BCRL)の女性における鍼灸(AM)の効果を評価することであった。
方法
2021年1月24日以前に発表されたRCTを、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Library、Web of Science、China National Knowledge Infrastructure(CNKI)、Chongqing VIP(VIP)、Wanfangのデータベースから検索した。
鍼灸治療と他の治療法を比較したRCTを対象とした。鍼灸治療と他の治療法を比較したRCTを対象とし、異質性を考慮してランダム効果モデルまたは固定効果モデルを用いた。研究の質は、Cochrane risk of bias toolを用いて評価した。
結果
14件のRCTを解析対象とし、そのうち鍼灸を採用したRCTが4件、お灸を採用したRCTが4件、残りは両方を採用したRCTであった。
AMはルーチンケアと比較して、肘のしわの部分の腕囲を有意に減少させた(平均偏差(MD)=-7.26、95%信頼区間(CI)=-8.30~-6.21、P<0.00001)。
上肢リンパ浮腫の有効指数(MD=24.68、95%CI=24.82~30.53、P<0.00001)、肩の伸展時の可動域(MD=6.77、95%CI=2.81~10.73、P=0.0008)、内転時の可動域(MD=4.17、95%CI=1.02~7.32、P=0.01)において、AM錠とジオスミン錠の間に有意な差があった。
腫れの視覚的アナログスコア(VAS)では、お灸と空気循環の間に有意な差が見られた(MD = -0.51, 95% CI = -0.85 to -0.17, P = 0.003)。
最後に、鍼治療はブランクコントロールと比較して、痛みのVASを減少させた(MD = -1.33, 95% CI = -1.52 to -1.15, P < 0.00001; heterogeneity (I2) = 0%, P = 0.57)。
結論
今回の結果から,AMはBCRLの治療に有効であることが示唆された。AMは、肘のしわの腕囲を減少させ(日常診療と比較して)、上肢リンパ浮腫の有効指数を増加させ(ジオスミン錠剤内服と比較して)、肩の伸展・内転時の可動域を改善させ(ジオスミン錠剤内服と比較して)、腫れ(空気循環と比較して)と痛み(ブランクコントロールと比較して)の両方のVASを減少させる可能性がある。