家庭医療と痛みの診察室

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陣痛の不安にはアロマセラピーが有効かもしれない。

陣痛と不安の管理におけるアロマセラピーの有効性。システマティックレビュー。

 Tabatabaeichehr M, Mortazavi H. The Effectiveness of Aromatherapy in the Management of Labor Pain and Anxiety: A Systematic Review. Ethiop J Health Sci. 2020;30(3):449-458. doi:10.4314/ejhs.v30i3.16

背景

 代替・補完医療としてのアロマテラピーは、陣痛体験などの様々な生理過程の症状を軽減するためのよく知られた方法である。本研究の目的は、陣痛や不安の管理にアロマテラピーを使用することを評価する現在利用可能なエビデンスを体系的に検討することであった。

方法

 システマティックレビューでは、5つのデータベース(PubMed、SCOPUS、Web of Science、Google Scholar、Scientific Information Database [SID])をデータベース開始から2019年12月まで検索した。使用したキーワードは、(アロマテラピー OR 「精油」 OR 「アロマ*」) AND (痛み OR 不安) AND (陣痛 OR 分娩)とした。Cochrane Collaborationの「Risk of bias」法を用いて、含まれた研究におけるバイアスのリスクを評価した。

結果

 合計 33 件の研究が、我々の包含基準を満たしていることが確認された。含まれた研究のほとんどはイランで実施されたものであった。アロマテラピーは吸入、マッサージ、足湯、分娩プール、指圧、湿布を用いて適用された。研究で最もよく使用された精油はラベンダーであった(13件)。ほとんどの研究で、陣痛や不安を軽減するアロマテラピーの効果が確認されている。

結論

 この研究からの証拠は、アロマセラピーが補完的で代替的な方法として、陣痛中の母体の不安や痛みを和らげるのに役立つことを示唆している。

 

所感

 アロマは何となく体に良さそうとは思っていましたが、こうした研究がされたことにより、根拠を持って人に提案することができるようになりました。アロマの種類によって効果に違いがあるのか、そうした研究がないかも調べてみたいと思います。