骨盤底筋運動と経皮的脛骨神経刺激による小児便秘の治療
小児便秘の治療における経皮的脛骨神経刺激と骨盤底筋運動の無作為化二重盲検比較試験
Yu ZT, Song JM, Qiao L, Wang Y, Chen Y, Wang EH, Zhang SC. A Randomized, Double-Blind, Controlled Trial of Percutaneous Tibial Nerve Stimulation With Pelvic Floor Exercises in the Treatment of Childhood Constipation. Am J Gastroenterol. 2023 Feb 3. doi: 10.14309/ajg.0000000000002188. Epub ahead of print. PMID: 36734654.
はじめに
小児便秘の管理は困難である。
骨盤底機能障害(PFD)は小児便秘の最も一般的な原因の1つである。
経皮的脛骨神経刺激(PTNS)と骨盤底筋運動(PFE)は、高齢者やPFDを有する女性において満足のいく結果を得ている。
しかし,小児便秘に対するPTNSとPFE併用療法の有効性は確立されていない.
方法
対象基準を満たした84名の小児を対象とした無作為化二重盲検比較試験を実施した。
参加者全員をPTNS with PFE群と偽PTNS with PFE群に無作為に割り付け、それぞれの介入を4週間行い、12週間のフォローアップ評価を行った。
自然排便(SBM)≧3/週を主要アウトカムとし、リスク比(RR)および95%信頼区間(CI)を算出した。
骨盤底機能の評価には高解像度直腸指診と表面筋電図を用い、副作用は症状に基づいて評価した。
結果
追跡期間終了時、ベースラインと比較して、PTNS with PFE群26人(61.9%)、偽薬群15人(35.7%)が週3回以上のSBMを行った(純差26.2%、95%CI 5.6%-46.8%;RR 2.750, 95% CI 1.384-5.466;P < 0.05 )。
PFDの寛解は49人の小児に生じ、PTNS with PFE群では33人(78.6%)、偽薬群では16人(38.1%)だった(RR 2.063, 95% CI 1.360-3.128, P < 0.05).有害事象は発生しなかった。
考察
PFEを用いたPTNSは小児便秘の治療において,特にPFDや排便困難のある小児に対して安全かつ有効な方法である.
所感
骨盤底筋運動と経皮的脛骨神経刺激の組み合わせは、小児の慢性便秘に有効なようです。
参考