家庭医療と痛みの診察室

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小児の末梢静脈カテーテル挿入に超音波を使うと成功率が上がる

小児末梢静脈カテーテル挿入時の超音波診断。システマティックレビュー

Mitchell EO, Jones P, Snelling PJ. Ultrasound for Pediatric Peripheral Intravenous Catheter Insertion: A Systematic Review. Pediatrics. 2022 May 1;149(5):e2021055523. doi: 10.1542/peds.2021-055523. PMID: 35445257.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景と目的

 乳幼児や小児における末梢静脈カテーテル(PIVC)アクセスの確立は一般的な手技であるが、技術的に困難な場合がある。

 第一の目的は、小児集団におけるPIVC挿入の初回試行成功率に超音波が及ぼす影響を明らかにすることであった。副次的目的は、全体の成功率およびサブグループ分析であった。

方法

 Medline、Embase、CENTRAL、World Health Organization International Clinical Trials Registry Platform、およびClinicalTrials.govを用いた論文の系統的レビュー。小児患者において,ランドマークアプローチに対する超音波ガイド下PIVC挿入を評価した無作為化試験のうち,成功率(初回または全体)のアウトカムを少なくとも1つ報告したものを対象とした。

 文献の方法論的質は、無作為化試験用の改訂コクランリスクオブバイアスツールを用いて評価した。ランダムエフェクトモデルを用いたメタ解析を行った。

結果

 総研究数1033件から1350人の患者を対象とした9件の研究が解析に含まれた。

 超音波検査は8試験中5試験で初回PIVC挿入成功率に統計的に有意な改善を示し、全体の成功率は超音波検査群78%対照群66%であった。副次的アウトカムである全体の成功率は、3回以上の試行を許可した研究で超音波により改善された(プールされたOR 3.57, 95% CI 2.05 to 6.21, P < .001, I2 = 0.0%).

結論

 この系統的レビューでは、超音波は小児のPIVCのファーストパスと全体の成功率を向上させることが示唆された。

 サブグループ解析では,静脈アクセスが困難な患者や,一人のオペレーターによる動的短軸超音波法において,PIVC成功率の向上が認められた.

 

所感

 小児の末梢静脈カテーテル挿入に超音波を使うと成功率が上がるようです。