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変形性膝関節症に対して低強度パルス超音波が有用

変形性膝関節症に対する低強度パルス超音波の効果。無作為化比較試験のシステマティックレビューとメタアナリシス

Chen H, Wang Z, Zhang X, Sun M. Effects of low-intensity pulsed ultrasound on knee osteoarthritis: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Clin Rehabil. 2022 Sep;36(9):1153-1169. doi: 10.1177/02692155221097035. Epub 2022 May 9. PMID: 35535403.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

目的

 変形性膝関節症(KOA)患者における低強度パルス超音波療法(LIPUS)の疼痛緩和および機能回復に対する効果を系統的に検討すること。

データソース データソース

 PubMed、Web of Science、Cochrane Library、Physiotherapy Evidence Database(PEDro)、China National Knowledge Infrastructure(CNKI)をinceptionから2022年3月18日まで使用した。

レビューの方法

 コントロール群とLIPUS群間の痛みと機能回復を評価するためにメタ解析を行った。標準化平均差(SMD)または平均差(MD)と95%信頼区間(CI)を算出し、固定効果モデルまたはランダム効果モデルを用いてデータの結合を行った。

結果

 807人のKOA患者を含む13の研究が含まれた。LIPUSは、Visual analog scale(VAS)スコア(MD = -0.95, 95% CI: -1.43 to -0.48,P < 0.001 )、Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis index(WOMAC)スコア(MD = -4.35, 95% CI: -8.30 to -0.40,P = 0.009 )を含む患者さんの転帰を著しく改善していた。 0309)、Lysholmスコア(SMD = 1.59、95% CI: 1.29~1.90、P < 0.001)、Lequesne指数(MD = -1.33、95% CI: -1.69~-0.96, P < 0.001)、動作範囲(ROM)(MD = 2.43、95% CI: 0.39~4.46, P = 0.0197)及び50m歩行時間(SMD = 1.48, 95% CI: 0.46~2.49, P = 0.0044)である。

 サブグループ解析の結果、LIPUS単剤投与はVASスコアの低下に対してより優れた効果を示し(P = 0.0213)、治療期間が短いほど(4週間以下)、WOMACスコアの上昇に対してより有意な効果を示した(P = 0.0083)。

結論

 LIPUSは、疼痛緩和と膝の機能回復に有効であり、KOAリハビリテーション代替療法として期待できる。

キーワード:メタアナリシス、変形性膝関節症、システマティックレビュー、低強度パルス超音波療法、理学療法

所感

 変形性膝関節症に対して低強度パルス超音波が有用なようです。

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