家庭医療と痛みの診察室

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ボトックス治療は慢性片頭痛に対して効果的

慢性片頭痛の予防的治療に対するonabotulinumtoxinA(BOTOX®)の有効性。10年間のリアルワールドデータのメタアナリシス

Lanteri-Minet M, Ducros A, Francois C, Olewinska E, Nikodem M, Dupont-Benjamin L. Effectiveness of onabotulinumtoxinA (BOTOX®) for the preventive treatment of chronic migraine: A meta-analysis on 10 years of real-world data. Cephalalgia. 2022 Dec;42(14):1543-1564. doi: 10.1177/03331024221123058. Epub 2022 Sep 8. PMID: 36081276.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景

本メタ解析では、2010年に慢性片頭痛に特化してFDAから承認された初の予防治療薬であるonabotulinumtoxinA(BOTOX®)の実世界での有効性について評価した。

方法

2010年1月1日から2021年3月31日までに発表された慢性片頭痛におけるonabotulinumtoxinA観察データを系統的にレビューした。

ランダム効果モデルにより、onabotulinumtoxinAの主要臨床試験で定義された主要および副次的なエンドポイントについて、約24週および52週時点の利用可能なデータを評価した。

結果

全文掲載の適格試験44件(プロスペクティブ29件,レトロスペクティブ13件,その他2件)のうち,オナボツリヌムトキシンAのベースラインからの変化(平均値[信頼区間])を,それぞれ24週間と52週間において,次のように評価した7件があった。

(-10.64 [-12.31, -8.97]; -10.32 [-14.92, -5.73]); 1ヶ月あたりの急性頭痛薬摂取日数(-7.40 [-13.04, -1.77]; 52週でCI重複);Headache Impact Test-6 total score(-11.70 [-13.86, -9.54]); -11.80 [14.70, -8.90]); andMigraine-Specific Quality-of-Life v2.1 score(MSQ; 23.60 [CI: 21.56, 25.64]; 30.90 [CI: 28.29, 33.51])).

24週間後、オナボツリヌムトキシンAは、片頭痛障害評価スコアの合計が44.74 [28.50, 60.99] 、片頭痛日数の50%以上の減少が46.57% [29.50, 63.65%]であることが示されました。

試験終了時の感度分析では、MSQに対するオナボツリヌムトキシンAの効果の持続性が示唆されました。

結論

実臨床を反映したメタアナリシスにより,慢性片頭痛予防治療におけるオナボツリヌストキシンAの極めて重要な長期非盲検試験から得られたエビデンスを広く裏付けた.

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所感

ボトックス治療は慢性片頭痛に対して効果的なようです。