アロディニアに対するケタミンの効果
神経障害性疼痛に対するケタミンの有効性:動物実験のシステマティックレビューとメタアナリシス
Velzen MV, Dahan JDC, van Dorp ELA, Mogil JS, Hooijmans CR, Dahan A. Efficacy of ketamine in relieving neuropathic pain: a systematic review and meta-analysis of animal studies. Pain. 2021 Sep 1;162(9):2320-2330. doi: 10.1097/j.pain.0000000000002231. PMID: 33790195; PMCID: PMC8374709.
背景
ヒトでは、神経障害性疼痛に対するケタミン治療の長期的な有効性の証明は不足している。
様々な投与条件でのケタミンの挙動について理解を深めるため,神経損傷の疾患モデルを用いたマウスおよびラットにおけるケタミンのアロディニア緩和効果に関する対照研究のシステマティックレビューおよびメタアナリシスを行った。
方法
PubMedおよびEMBASEで検索したところ、31件のユニークな研究が見つかった。4つのメタアナリシスを行った。
結果
最初の解析では、ケタミンの単回投与と投与後3時間以内の効果の測定に関する19件の比較を行い、評価できる効果を示した(標準化平均差1.6、95%信頼区間1.1~2.1)。
サブグループ解析では、動物種、投与経路、投与量による影響は認められなかった。
2回目の解析(7件)では,ケタミン投与動物と対照動物で同様の効果が認められたが,投与後24時間または72時間にアロディニアの緩和を持続させるには,単回投与では不十分であった.
慢性的なケタミン投与(9比較)では、ケタミン投与中に試験を行ったところ、アロディニアが深く緩和された(効果サイズ5.1、3.7~6.5)。
最終解析(6比較)では、慢性投与によりアロディニアの緩和がゆっくりと失われ、投与終了24日後には70%の効果が失われた。
最後の3つのメタアナリシスでは、グループサイズが小さいため、サブグループの分析はできなかった。これらの結果から、ケタミンの抗アロディニア効果は、1回の投与ではなく、慢性的な曝露(3日以上)で長期的に作用することが示された。いくつかの制限があるため、動物実験のデータを人間の状態に当てはめることは困難である。
所感
動物実験では、ケタミンを持続的に投与することでアロディニアが緩和されるようです。