家庭医療と痛みの診察室

家庭医療と痛みの治療を中心に、調べたことや感じたことをアップしていきます。

化学療法前後の口内炎には凍結療法が有効

化学療法を受けた成人患者の口腔粘膜炎の予防における凍結療法の有効性について

López-González Á, García-Quintanilla M, Guerrero-Agenjo CM, Tendero JL, Guisado-Requena IM, Rabanales-Sotos J. Eficacy of Cryotherapy in the Prevention of Oral Mucosistis in Adult Patients with Chemotherapy. Int J Environ Res Public Health. 2021 Jan 23;18(3):994. doi: 10.3390/ijerph18030994. PMID: 33498628; PMCID: PMC7908620.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景

 口腔粘膜炎(OM)は、がん治療の一般的な副作用である。

 口腔粘膜炎は、口腔内に潰瘍性の痛みを伴う病変を引き起こし、栄養失調、感染症のリスク上昇、入院期間の長期化などを引き起こし、生活の質に深刻な影響を与える。

目的

 化学療法中および/または化学療法後に口腔内凍結療法(OC)で粘膜を冷却することは、最も身近で忍容性の高い治療法である。

 本研究の目的は、成人がん患者の化学療法/放射線療法によって誘発されるOMを予防するためのOCの有効性を明らかにすることである。

 副次的評価項目には、痛みなどの関連する問題が含まれる。

方法

 Pubmed,WOS(Web of Science),Cochrane Library,CINAHL,BVSの各データベースを用いて,2010年までに発表された論文を対象にシステマティックサーチを行った。インクルージョンとエクスクルージョンの基準を適用した後,合計8つの論文を本レビューで分析した。

結果

 8つの論文のうち7つの論文では、すべてのグレードのOMの発生率が、OCなしのグループに比べてOCグループで有意に低かった。

 また、オピオイドの使用や痛みの程度も有意に減少した。OCは、化学療法によるOMの発生率だけでなく、それに伴う重症度や痛みを軽減する効果的な介入である。

結論

 以上の結果から,化学療法に伴うOMの発生率およびそれに伴う重症度や疼痛を軽減するためには,他の洗口剤との併用の有無にかかわらず,水のみまたはカモミールを用いたOCが有効であると考えられた。

キーワード:経口凍結療法,口腔粘膜炎,口腔粘膜炎の予防,患者の癌。

 

所感

 口内炎に対して凍結療法が有効なようです。この分野では色んな介入がありますね。