手根管症候群に対する治療の比較
手根管症候群の重症度と全身疾患に応じた保存的治療の有効性 システマティックレビュー
Hernández-Secorún M, Montaña-Cortés R, Hidalgo-García C, Rodríguez-Sanz J, Corral-de-Toro J, Monti-Ballano S, Hamam-Alcober S, Tricás-Moreno JM, Lucha-López MO. Effectiveness of Conservative Treatment According to Severity and Systemic Disease in Carpal Tunnel Syndrome: A Systematic Review. Int J Environ Res Public Health. 2021 Feb 28;18(5):2365. doi: 10.3390/ijerph18052365. PMID: 33671060; PMCID: PMC7957741.
背景
手根管症候群(CTS)は、上肢の最も一般的な末梢神経障害である。軽度および中等度の特発性CTSに対しては、保存的治療が有効である。
しかし、重度のCTSや全身状態は、研究の除外基準となっていた。
目的
本研究の目的は、過去10年間の重症度や全身疾患の有無にかかわらず、CTS患者に対する保存的治療の有効性を検討することである。
方法
Boston質問票と痛みに対する保存的治療の効果を比較した無作為化比較臨床試験を選択した。PubMed,PEDro,Scopus,Cochrane,Web of Scienceの各データベースを使用した。PRISMAステートメントチェックリストを実施した。
結果
876件の研究が記録され,29件が選択された。薬理学、電気療法、手技療法はCTSに対して効果があった。
電気療法と手技療法は、短期的には全身状態の重症CTS患者に有効である可能性があるが、研究に含まれるこれらの患者の割合は低かった。
結論
いくつかの薬理学的治療、手技療法、電気療法は、CTSの取り扱いに効果を示しているが、最も効果的な手技の組み合わせは不明である。
今後の研究では、全身状態の患者を選択基準に含めることが必要であろう。
キーワード:手根管症候群、保存療法、糖尿病性神経障害、電気刺激療法、筋骨格の操作、痛み。