家庭医療と痛みの診察室

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再発性口内炎に対して整腸剤を用いると痛みが和らぐ

再発性アフタ性口内炎の管理におけるプロバイオティクスの有効性:システマティックレビューとメタアナリシス

Cheng B, Zeng X, Liu S, Zou J, Wang Y. The efficacy of probiotics in management of recurrent aphthous stomatitis: a systematic review and meta-analysis. Sci Rep. 2020 Dec 3;10(1):21181. doi: 10.1038/s41598-020-78281-7. PMID: 33273680; PMCID: PMC7713296.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景

 現在、再発性アフタ性口内炎を治療するための有効な薬剤は不足している。本研究では、再発性アフタ性口内炎(RAS)患者におけるプロバイオティクスの単独または補助剤としての有効性を評価することを目的とした。

方法

 7件の無作為化比較試験(RCT)を対象とし、そのうち3件を定量的な分析に含めた。

結果

 プロバイオティクス単独の有効性をプラセボまたはオラキュールゲルと比較して評価した5件の試験のうち、2件では口腔内の痛みを和らげる効果に有意差がないと報告されたが、他の3件ではプロバイオティクスの方が口腔内の痛みを減少させる能力が高いことが示された。

 潰瘍の重症度の有意な低下は1件で認められたが、他の4件では有意な差は認められなかった。

 残りの2つの研究では、プロバイオティクスをステロイドや麻酔薬の消毒用ゲルと併用することで、潰瘍の重症度と口腔内の痛みが有意に減少した。

 メタアナリシスでは、プロバイオティクスはプラセボと比較して口腔内の痛みを有意に減少させた(- 1.72, P = 0.0001)。

結論

 プロバイオティクス単独では、口腔内の痛みを和らげることはできたが、潰瘍の重症度を下げる効果はなかった。

 RAS患者において、プロバイオティクスとステロイドまたは麻酔薬の消毒ジェルの併用は、ステロイドまたは麻酔薬の消毒ジェルのみよりも効果的であった。プロバイオティクスは再発性アフタ性口内炎の治療に有望である。

 

所感

 再発性口内炎に対して整腸剤を用いると、痛みを和らげるようです。ステロイド軟膏などど一緒に用いるとさらに良いとのこと。僕もよく口内炎になるので、さっそく実践してみます。