家庭医療と痛みの診察室

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首の痛みに対して超音波治療が有効で安全

首の痛みに対する超音波治療の効果:システマティックレビューとメタアナリシス

Qing W, Shi X, Zhang Q, Peng L, He C, Wei Q. Effect of Therapeutic Ultrasound for Neck Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis. Arch Phys Med Rehabil. 2021 Mar 17:S0003-9993(21)00179-9. doi: 10.1016/j.apmr.2021.02.009. Epub ahead of print. PMID: 33722564.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

目的

 頸部痛患者に対する超音波治療の効果と安全性を評価すること。

データソース

 PubMed,EMBASE,CENTRAL,Physiotherapy Evidenceの各データベースで,2020年12月1日以前に発表された論文を検索した。

試験の選択

 首の痛みに対する治療用超音波の効果を比較した無作為化対照試験を本レビューに含めた。

 対象とした研究は,治療用超音波と他の治療法を比較したものと,他の治療法のみを比較したもの,または治療用超音波と偽治療または無治療を比較したものである。

 アウトカムとしては,痛み,障害,QOLへの影響を評価した。

 他の治療法には,超音波以外のすべての治療法(例えば,様々な運動,マッサージ,電気療法)が含まれていた。

データの抽出

 研究集団、超音波治療介入、複合介入、アウトカム評価、およびフォローアップに関するデータを抽出した。

データの統合

 12の無作為化比較試験(705名の患者)が組み入れ基準を満たした。7つの研究では,超音波治療と他の治療法を組み合わせたものと,他の治療法のみを組み合わせたものを比較した(449名の患者)。

 超音波治療は,痛みに対してさらなる効果をもたらしたが,異質性が高く,明確な結論は得られなかった。超音波治療は、他の治療法と併用しても、障害やQOLに優れた効果はなかった。

 5つの研究では、超音波治療と偽薬または無治療を比較し(256人)、プールされたデータでは、超音波治療は痛みの強さを有意に減少させた。対象となった研究では,超音波治療の有害事象は報告されなかった。

結論

 超音波治療は,偽薬や無治療よりも痛みの強さを減少させる可能性があり,安全な治療法であることがわかった。

 超音波治療は,偽薬や無治療よりも痛みの強さを軽減し,安全な治療法である。超音波治療を他の従来の治療法と組み合わせることで,痛みの強さ,障害,QOLにさらなる効果があるかどうかは不明である。

 このレビューに含まれている無作為化試験は、質のレベルが異なり、異質性が高いものでした。妥当な方法を用いた大規模な試験が必要である。

キーワード メタアナリシス,筋・筋膜性疼痛症候群,頚部痛,リハビリテーション,超音波。

 

所感

 首の痛みに対して超音波治療が有効で安全なようです。