がん患者の口腔粘膜炎に対する局所治療。無作為化臨床試験のシステマティックレビュー
Sant Ana G, Normando AGC, De Toledo I, Dos Reis PED, Guerra ENS. Topical Treatment of Oral Mucositis in Cancer Patients: A Systematic Review of Randomized Clinical Trials. Asian Pac J Cancer Prev. 2020 Jul 1;21(7):1851-1866. doi: 10.31557/APJCP.2020.21.7.1851. PMID: 32711408; PMCID: PMC7573410.
背景と目的
化学放射線療法(CRT)によって誘発される口腔粘膜炎(OM)に対する局所療法のエビデンスに基づくプロトコールは、継続的に確立され、更新されている。
そこで,本システマティックレビューでは,CRTを受けているがん患者のOMに対する局所療法の有効性について,科学文献を評価することを目的とした。
材料と方法
本システマティックレビューは、Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses(PRISMA)チェックリストに基づいて行われた。
CINAHL, Cochrane Library, LILACS, Livivo, PubMed, SCOPUS, Web of Scienceの電子データベース検索により無作為化臨床試験を同定した。
また,Google Scholar,Open Grey,ProQuestで灰色文献を評価した。収録された研究のバイアスのリスクは、Cochrane Collaboration Risk of Bias Toolで評価した。
結果
23件の無作為化臨床試験(n=1169患者)が組み入れ基準を満たしていた。23種類の外用剤が検討され、鎮痛剤(30.4%)、天然成分(21.7%)、その他の外用剤(21.7%)、抗菌剤(17.4%)、成長因子(8.8%)の5つのグループに分類された。
対象となった研究のうち、50%が14日以内にOMの消失を示した。天然成分の外用剤は良好な結果を示し,平均消失期間は3~7日であった。
対象となった研究では、OMの重症度にもよるが、マウスウォッシュによる治療を受けた患者はコントロールと比較して優れた効果を示すことが示された。
結論
外用剤は,化学放射線療法を受けている患者のOM病変の重症度と痛みの強さを効果的に軽減したが,その効果は薬剤の種類によって異なっていた。
しかし,これらの局所介入試験の結果には不均一性があり,標準化された臨床試験方法の必要性が強調された。
臨床上の関連性
外用剤は化学放射線療法を受けている重度のOM病変の患者に有効であり、疼痛コントロール、炎症の軽減、その結果としてのQOLの向上に関連して、ホームケアの良い代替手段であると考えられる。
キーワード 化学療法、口腔粘膜炎、放射線療法、無作為化比較試験、外用剤介入
所感
化学放射線療法を受けられている方は、ほぼ口内炎が必発します。その際に天然成分の外用剤が効果あるようです。具体的にはプロポリスうがい、ローヤルゼリーうがいが特に良さそうです。