家庭医療と痛みの診察室

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口内炎に対するレーザー治療と外用薬の比較(システマティックレビュー)

口内炎の治療のための低レベルレーザー治療と外用薬。系統的レビュー

Khaleel Ahmed M, Jafer M, Nayeem M, Hussain Moafa I, Quadri MFA, Gopalaiah H, Ali Quadri MF. Low-Level Laser Therapy and Topical Medications for Treating Aphthous Ulcers: A Systematic Review. J Multidiscip Healthc. 2020 Nov 18;13:1595-1605. doi: 10.2147/JMDH.S281495. PMID: 33239881; PMCID: PMC7680689.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

目的

 低レベルレーザー治療と外用薬による口内炎の治療を比較する。

方法

 本システマティックレビューの論文は、6つのデータベースから検索した。治療群と比較群は、それぞれレーザー治療を受けた患者と外用薬を投与された患者で構成された。治療成績は、疼痛と病変の大きさの2つの異なる治療成績を考慮した。バイアスのリスクは、無作為化試験のための改訂コクランリスクオブバイアスツールを用いて評価した。

結果

 109件の論文の中から、5件の無作為化対照試験が選択基準を満たしていた。全体のサンプルは男性98件、女性232件で、平均年齢は32.4歳であった。各試験のレーザー治療は、異なる活性媒体と異なる波長を有していた。比較群で使用された外用薬は、トリアムシノロンアセトニド、アムレキサノクス、グラノフリン、ソルコセリルであった。その結果、痛みの軽減や口内炎病変の減少を報告した患者は、外用薬を使用した群よりもレーザー治療群の方が多かった。

結論

 低レベルのレーザー治療は外用薬と比較して、口内炎の治療において優れており、含まれている報告のすべてのレーザー波長が有効であることが確認された。しかし、評価されたすべての領域でバイアスのリスクが低いことを示した研究はなかったため、結果は慎重に解釈されるべきである。

キーワード:口内炎エビデンスに基づく実践、低レベルレーザー治療、再発性口内炎、システマティックレビュー。

 

所感

 口内炎に対して一般的にはケナログ軟膏などを塗布することが多いです。どのようにレーザー治療をおこなうか調べてみたくなりました。

 ちなみに口内炎に対しては、漢方薬半夏瀉心湯をお湯に溶かして口ですすぐことも提案します。